こんにちは!現役コンビニ店員の蟹です☆
セブンイレブンでも2019年4月から、年間10日以上付与される従業員さんの有給取得が一部義務化されました。
この記事でオーナーさんが持つ「有給に関する様々な疑問」を解決していきます。
- ・アルバイトにも有給はある
- ・年10日以上付与される人
- ・有給義務抜け道
- ・有給はSCで管理
- ・有給算出法アナログ版
- ・有給使用SC入力方法
- ・有給1日って何時間?
- ・有給使用の確認方法
- ~~~補足資料~~~
今回は「有給を使われる側」
オーナーさん、店長さん必見です!
・アルバイトにも有給はある
意外と知られていませんが、アルバイトも正社員も有給をもらえる条件は同じなので、学生のアルバイトさんでも有給休暇を持っている可能性は高いです。
まず従業員(パート、アルバイト、正社員)さんが持っている有給休暇の日数を知る必要があります。
ここで注意するべきは「年間10日以上付与される従業員さん」を見落とさないこと。
そしてその従業員さんに「1年で5日」有給を使ってもらわなければなりません。
・年10日以上付与される人
・週5日(年間217日以上)勤務の従業員さんは入社から半年で、有給が10日付与されます
・週4日勤務の従業員さんは入社から3年半で、有給が10日付与されます。
・週3日勤務の従業員さんは入社から5年半で、有給が10日付与されます。
これに該当する従業員さんの有給休暇はしっかり管理しましょう。
・有給義務抜け道
週2日勤務の従業員さんももちろん有給は持っていますが、週2日では勤続何年になろうとも年間付与日数が10日以上になることはないので有給取得義務の対象になりません。
従業員さん全員が週所定労働日数2日以下なら、有給を取得させる義務を負う必要はなくなるわけです。
・有給はSCで管理
SC(ストアコンピューター)で労働条件登録した週所定労働日数と入社年月日で有給休暇付与基準日に有給休暇自動計算が行われます。
この際に契約労働日数の8割を出勤しているかどうかは自動で判定されませんので、オーナーさん、店長さんが自分で確認することになります。
ストアコンピューターで労働契約書が作成されていない場合、有給休暇自動計算は0日と表示されます。
有給付与対象の従業員さんなのに「0日」と表示される場合は自動計算が行われていません、管理者が自分で算出し正しい日数を入力する必要があります。
・有給算出法アナログ版
「勤務時間表」と「労働契約書」があれば有給の日数を算出できます。
「勤務時間表」には日ごとの勤務時間が記載されていて、その月の勤務日数と勤務時間がわかるようになっています。
この勤務時間表は毎月従業員さんに見せて、確認してもらうことになっています。
「労働契約書」を見て1週間の所定労働日数を確認します。
勤務時間表の勤務日数と労働契約書の所定労働日数を照らし合わせて、実際の勤務日数が契約の8割を超えているか確認します。
入社から6か月以上経過し、出勤8割さえクリアできていれば有給休暇はあります。
次に有給を何日持っているか、下の表で確認しましょう。
たとえば週4日出勤していて、入社から3年半経った人は「10日」有給をもらう(付与される)ことになります。
それだけではありません、2年半経過時にも有給が付与されています。
その時も週4日出勤していたなら「9日」付与されています。
有給休暇は翌年まで繰り越せますから、使っていなければ全部で「19日」持っていることになります。
・有給使用SC入力方法
SCの操作手順になります
14.オーナー専用
→7.勤務時間表の承認
「勤務者の追加」
「従業員番号」
→有給休暇を登録する従業員名を選択
「処理選択」
→●2:有給休暇を登録する
ここで入力する時間をどうするかは後述します。
①始業時間
②就業時間
③実休憩時間
※有給の半日登録や時間単位での登録はできません。
「確定」
備考欄に「有休」と表示されます。内容を確認し「終了」をクリック
・有給1日って何時間?
有給1日がいくらになるかは就業規則によります。
通常の賃金、平均賃金、健康保険法に定める標準報酬日額のいずれか。
補足資料より
年次有給休暇1日あたりの賃金は、時給の場合は労働契約書の定めに基づき、所定労働時間を労働した場合に支払われる通常の金額とし、月給の場合は、通常の賃金とする。
基本的にはシフト表にもとづく本来出勤すべき時間となりますが、それで計算してしまうと長く入っている日や土日手当てが付く日に有給を取られる可能性が高くなります。
「労働基準法12条に定める方法により計算された1日の賃金」平均賃金を計算して支給する方法。
「直近3ヵ月の給与総額÷直近3ヵ月の総歴日数」か「直近3ヵ月の給与総額÷直近3ヵ月の出勤日数×60%」いずれか多い方。
手間はかかりますが、24時間365日安定してお店を回すためにはこちらがおすすめです。Excelを使えばもろもろの計算は自動化できます。
これなら「いつ有給を取ってももらえる金額は同じだから、オーナーさんの負担にならない日にしよう!」という風になります。
・有給使用の確認方法
有給が使われたかどうか従業員さんは「給与明細」で確認できます。1日なら「有休1日」と給与明細に記載されます。
2019年5月現在、セブンイレブンの給与明細に「有給の残日数」は記載されていません。
管理者に聞く以外の方法で従業員さんが自分で自分の有給残日数を確認する手段はありません。
いくら(何時間)付与されたのか、従業員さんは「勤務時間表」で確認することになります。
これで従業員さんの有給1日が「何時間、どの時間帯で使われたか」わかります。
毎日深夜勤務をしている人が有給を使う場合は、いつもと同じ時間帯に出勤したことになります。深夜手当や早朝手当がつくということです。
24時間年中無休のセブンイレブン!
従業員さんは年次有給休暇を賢く使い、リフレッシュして仕事もプライベートも充実するといいですね☆
~~~補足資料~~~
一般的にセブンイレブンで使われる就業規則。
その中の『年次有給休暇』に関する記述をここに書いておきます。
①労働契約書に定められた所定労働日数の8割以上出勤した雇い入れから6ヵ月以上継続勤務し、かつ、従業員に年次有給休暇を与える。
②年次有給休暇の日数は、継続勤務期間に応じ、下表の通りとする。なお、週の所定労働日数が4日以下、かつ、週の所定労働時間が30時間未満の従業員については、所定労働日数に応じた日数を下表のとおり付与する。
※こちらの表は自作です
③年次有給休暇1日あたりの賃金は、時給の場合は労働契約書の定めに基づき、所定労働時間を労働した場合に支払われる通常の金額とし、月給の場合は、通常の賃金とする。
④年次有給休暇は、従業員の請求する時季に取得させる。なお取得申請は、あらかじめオーナー、店長、及び上長に対して行うものとする。
⑤年次有給休暇は、お店の正常な運営を著しく妨げると認められ、代替要員の確保が困難なときは、他の時季に変更して取得させることがある。
⑥第4項及び前項の規定にかかわらず、従業員代表との書面による協定により、各従業員の有する年次有給休暇日数のうち5日を超える部分について、計画年休としてあらかじめ時季を指定して取得させることがある。
⑦2019年4月以降の年次有給休暇の日数が10日以上与えられた従業員については、第4項の規定にかかわらず、その付与日から1年以内に、従業員が有する年次有給休暇の日数のうち5日について、当該従業員の意見を聴取のうえ、あらかじめ時季を指定して取得させる。但し、第4項又は第6項により取得した日数は、当該5日から控除するものとする。
⑧付与日から1年以内に取得しなかった年次有給休暇は、付与日から2年以内に限り繰り越して取得することができる。この場合において、繰り越された年次有給休暇とその後付与された年次有給休暇のいずれも取得できる場合には、繰り越された年次有給休暇から取得させる。
⑨年次有給休暇に関するその他の事項は労働基準法で定めるところによる。